生活習慣病

高血圧症

高血圧の定義は診察室血圧が140/90 mmHg以上、家庭血圧の平均値が135/85 mmHg以上とされています。高血圧をそのままにしておくと、狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞など心血管系の疾患を発症する危険性が高まるため、年齢や危険因子に応じた血圧の目標値を設定して血圧を下げる治療が必要です。血圧は喫煙・運動・ストレスなど様々な要因によって変動します。そのため家庭での血圧が重要であり、家庭での定期的な血圧測定もお願いしております。また、早朝の血圧が高値である場合は睡眠時無呼吸症候群が疑われるため、睡眠時無呼吸症候群の検査もお勧めさせております。

糖尿病

  • 1)早朝空腹時血糖値 126 mg/dL以上
  • 2)随時血糖値 200 mg/dL以上
  • 3)75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値 200 mg/dL以上
  • 4)HbA1c 6.5 %以上

糖尿病の診断は複雑であり、まず前提に上記1)-4)のいずれかを認めれば「糖尿病型」となります。初回検査で「糖尿病型」と判定された場合、別の日に再検査し、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断できます。
初回検査で1)~3)のいずれかと4)または糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在や確実な糖尿病網膜症の存在を認めた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できます。
糖尿病は高血糖・低血糖で致死的イベントを招くだけでなく、高血糖の状態が持続すると神経・眼・腎臓・心臓・血管と様々な臓器に合併症を起こします。そのため早期発見や治療が重要となります。当クリニックでは近隣眼科医とも連携をさせていただき、ご年齢・血糖降下薬の使用状況・認知機能などに応じて適切な血糖コントロールを行っていきます。

脂質異常症

  • ・高LDLコレステロール血症…140 mg/dL以上(境界域120~139 mg/dL)
  • ・高トリグリセライド血症…150 mg/dL以上
  • ・低HDLコレステロール血症…40 mg/dL未満
  • ・高nonHDLコレステロール血症…170 mg/dL以上

動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは上記が脂質管理目標値と設定していますが、実際の目標値は患者様の性別・既往歴・尿所見・喫煙歴・運動習慣有無・年齢によって異なります。患者様一人一人に対してスコアリングした結果を用いて、目標値を定めて食事指導・栄養指導・薬物療法を行っていきます。また、他の病気によって二次的に脂質異常症をきたすこともあるため、他の病気がないかどうかも鑑別させていただきます。

高尿酸血症/痛風

血液検査で尿酸値が7 mg/dL以上となる場合を高尿酸血症といいます。また、尿酸の結晶が足の親ゆびの付け根などの関節にたまり、関節痛を引き起こすことを痛風といいます。
高尿酸結晶をそのままにしておくと、痛風はもちろんのこと尿路結石や腎障害などを引き起こすため適切な管理が必要です。高尿酸血症の治療目標値は肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病・痛風結節があるかどうかで異なるため、それぞれの患者様の危険因子に応じた栄養指導・薬物療法を行っていきます。

メタボリックシンドローム

  • ウエスト周囲径が男性≧85 cm/女性≧90 cmに加えて
  • ・高トリグリセライド血症(≧150 mg/dL)かつ/または低HDLコレステロール血症(<40 mg/dL)
  • ・収縮期血圧(≧130 mmHg)かつ/または拡張期血圧(≧85 mmHg)
  • ・空腹時高血糖(≧110 mmHg)

上記の2項目以上を満たした場合にメタボリックシンドロームと診断できます。
メタボリックシンドロームがあると、糖尿病・脂質異常症・高血圧症などを発症し、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系のイベント発症リスクが増えるため、メタボリックシンドロームにならないような適切な栄養管理や薬物治療が必要となります。